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interview|A04: 藤高晃右(Tokyo Art Beat)
Tokyo Art Beatの藤高晃右さんにインタビューをしました。Tokyo Art Beatは、東京周辺のアート・デザイン展を網羅的に紹介するウェブサイトです。東京周辺のアートスペースで開催されているイベント情報をバイリンガルで紹介しています。この便利なサイトを利用している人も多いはず。しかし、それをどんな人たち作っているのか、どんなきっかけから始まったのか、その裏側はあまり知られていません。今回はそのようなTokyo Art Beatの裏側を探るべく、インタビューをしました。(岡田潤子)


藤高晃右(ふじたかこうすけ)

NPO法人GADAGO 理事
Tokyo Art Beat.com 共同設立者
1978年大阪生まれ、NY市立大学バルーク校留学(マーケティング専攻)後、東京大学経済学部卒業。2003年よりソニーエリクソン㈱にて、研究開発費管理、マーケティング業務を担当。2004年10月社会人として働きながら、東京最大のバイリンガルアート情報サイトであるtokyoartbeat.comを二人のフランス人とともにボランティアベースにて立ち上げ、2005年8月にNPO法人化。2006年4月、ソニーエリクソンを退社し、NPO法人GADAGO理事として、専任にてtokyoartbeat.comの広報・マーケティング・会計などを担当。



index

□ 100倍の差も10倍くらいの差にはすぐ縮まるんじゃないか
□ 今は350からそれ以上の展覧会をリストできる
□ Tokyo Art Beatをもっとやりたいな
□ 今進めてるプログラムっていうのが3つあって
□ 会った方が早いなっていうときは会って話をすることもできる
□ すごく公共的な存在にしたいし、存在だと思うから
□ できるだけ少ない人でできるだけ多くの情報を扱うために
□ アートに対する批評の空間をどのようにつくっていくか
□ Tokyo Art Beatが主催してレクチャーをやっていくとか、展覧会を企画するとか
□ なにか一緒にできることがあればやりたい




100倍の差も10倍くらいの差にはすぐ縮まるんじゃないか


岡田:まずどういうきっかけで始めたかについて聞きたいと思うんですけど、始めるまでの経緯を教えていただけますか。

藤高:Tokyo Art Beatは共同設立者として3名の名前を挙げてるんですけど、ポール・バロンとオリビエ・テローと僕、藤高晃右の3名です。そもそもはこのオリビエ・テローとポール・バロンの2人が、日本に住んで2、3年ぐらい経ったときに、東京の展覧会をギャラリーや美術館に見に行きたいのに見に行くときに調べるソースが英語で全然ないっていう不便さがあったんですね。そういう自分たちの不便さから展覧会の情報を英語で見ることができるサイト、情報ソースをつくろうとしたんです。ちょうどオリビエはウェブのプログラマーで、ポールはデザイナーだったのでウェブサイトが一番いいんじゃないかということでウェブサイトをやりだそうとした。これが本当のきっかけです。

岡田:藤高さんはどういうきっかけで参加したんですか?

藤高:実際そういうサイトをつくろうとしたときに、英語だけだと対象が限られちゃうし、英語で情報ソースをつくろうとしたら日本語から英語に翻訳をしないといけない。それで、どうせやるんだったら日本語と英語の両方でやったほうがいいよねっていうことで、僕が呼ばれました。
僕は当時会社員をしていて、そのときに会社に勤めてたフランス人コンサルタントの人を通じてポールとオリビエの2人を紹介してもらったんです。彼らは日本語ができて、しかもアートに興味があって、ウェブにも興味がある人を捜していて、ちょうど僕はその条件を満たしてたんですね。
僕のバックグラウンドは経済とかマーケティングで、昔ニューヨークに住んでたことがあったんですけど、そのとき思ったことがひとつあって。ニューヨークと東京の美術館、ギャラリーを比べたときに、同じくらいの都市のサイズなのになんでこんなに盛り上がり方が違うのかなと思ってたんです。なんか100倍くらい差があるように見えた。でもいろんな要因はあるにせよ、ちょっとしたことで100倍の差も10倍くらいの差にはすぐ縮まるんじゃないかと思ってて。そういうことをなんかできないかなと思っていたんです。あと僕、ウェブサイトとか好きだから、じゃあ一緒にやろうよということになって、3人で始めました。まあそのときもう1人いて4人だったんですけど。それで日本語の部分は僕がやるから英語の部分はそっちでやろっか、みたいな感じで手分けしてやっていました。
interview|A04: 藤高晃右(Tokyo Art Beat)_f0015110_985564.jpg

岡田:それはいつ頃ですか?

藤高:僕が彼らと知り合ったのは2004年の春ぐらいなんですけど、2004年の夏にサイトをつくって、2004年の9月にサイトをスタートさせる予定でやっていました。でもまあ、いつものことながら1ヶ月くらい遅れて(笑)。それで2004年の10月スタートになりました。
スタートする前に友達で興味ありそうな人に「一緒にやらない?」と声をかけたりもしましたね。わりと公共性を持った情報サイトなんだけど、お金なんかはどこにもないからボランティアでみんなでやりましょうっていうかたちで始めたわけです。

岡田:藤高さんは初めは日本語担当みたいな感じだったんですか?

藤高:そうですね、あとは、たまたまギャラリーの人とか美術館の人で多少知ってる人がいたということもあって。サイトを始めるにあたって、情報を集めるときに人を通じて情報がとれるっていうので、広報的な面、コミュニケーションをする面も担当しました。あとは本当に英語から日本語に翻訳する担当。サイトの枠組自体は全部英語でできてるから、それを日本語に翻訳する。中身のコンテンツは逆で、美術館やギャラリーから日本語でもらった情報を英語に翻訳してアップデートするっていうかたち。だから最初はその枠組をつくるって感じで始めて、サイトをつくって、それからいろんな人に情報を下さいとか、フライヤー置いてくれませんか、協力していただけませんかっていう話をして。そういうことを担当してました。






今は350からそれ以上の展覧会をリストできる


岡田:最初はもう全く無償でやってたんですか?

藤高:全く無償でしたね。2004年の10月にサイトを始めて、2006年の3月までは全員ボランティアだったから、本当に全員無償だったんです。翻訳もデータインプットも全部無償。でも、今年の4月から仕組みを変えて、ここのco-labのオフィスをつくって、2人アルバイトの人と、僕がフルタイムで働くようになりました。その3人はある程度お金が出るようにしています。

岡田:そういうかたちに変えた理由は何ですか?

藤高:データのインプットとか翻訳の作業ってすごく単調な作業なんですね。最初はみんな便利なサイトのためだからということでモチベーション高くやるんですけど、1年くらい経ってくるとやっぱりその作業が単調でやることがだんだん作業効率が悪くなってくる。それでも人をちょっとずつ増やしながらデータの量を保っていくようにしてたけれども、また人が増えるとそれはそれでコミュニケーションがとれなくなったったりという問題が出てきて。最終的には20人ぐらいのチームでそういうことをしてたんですけど、ちょっとそれもそろそろ限界かなあって思って。あとは多少広告とかも入りはじめて、ある程度お金の目処もなんとなくたってきたところだったからっていうのもありますね。
それで今年の初めくらいに話し合って、ちょっと体制を変えてオフィスをつくって、アルバイトの人を雇って、ちゃんとお金を払ってデータをアップデートして翻訳をしてもらうっていう風にかたちを変えた。
そうするといままで20人でやってたのが2人になったんですが、それ専門にやってるからすごく効率が上がったんです。データの量も今まで月に150から200くらいの展覧会をリストするっていうのだったのが今は350からそれ以上の展覧会をリストできるようになって、情報の質とか量もあがって。やってよかったなと思います。



Tokyo Art Beatをもっとやりたいな


岡田:これまで会社員をしてらして、今年それを辞められたわけですよね。結構勇気のいる決断だったと思うんですけど、辞めるきっかけはなにかあったんですか?

藤高:大学を卒業して3年会社で働いて、4年目の15日で辞めたんですけど、それはもう完全にTokyo Art Beatでオフィスをつくるっていうことがきっかけです。オフィスを維持してアルバイトの人に給料払って、その他諸々の管理をしてっていう人が1人必要で、それで誰がやるって話になったときに僕しかいないだろうと思った。あとは調度いいんです(笑)。

岡田:「調度いい」ってどういうことですか?

藤高:会社は好きな会社だったからおもしろかったんです。だけど会社生活と夜と週末のTokyo Art Beatの生活っていう二重の生活で今までずっとやってきてもどかしいこともあった。
会社はそんなにすごく忙しいってわけではなかったから、その両立はできたんですけど、人に会うっていうのは昼にやらないといけないわけです。でもそれは会社に勤めてたときは絶対できなかった。そういうところにもストレス感じてたし、だんだんTokyo Art Beatをもっとやりたいな、もっと自分の時間裂けたらもっといろんなことできるのになあって思うようになってきてた。
会社は会社でもっとやりたいこともあったけど、新しいチャンスだし、上司もいなくなるし(笑)。大きな会社で大きな仕事の一部をやるっていうことと、小さなオフィスで割と責任のある立場で素早く物事を決めていくってことを比べたときに、小さい方は全て自分でやらなければならないけれども、それはそれでおもしろそうだと思って。あんまり考えなくて、自分としては調度いいかなっていうくらいで(笑)。



今進めてるプログラムっていうのが3つあって


岡田:フルタイムになって新しく始めたことってありますか?

藤高:まずフルタイムになって最初にやらなければいけなかったことは、納税(笑)。NPO法人とはいえ、このウェブサイトを運営するためにはコストがかかるわけです。この場所代とか、人の給料とか、その他諸々かかる費用があって、その分を補うためにサイトの広告収入とあとは一部Tシャツの販売から収益を得ているんですが、そういうのはNPO法人がやろうがだれがやろうが、法人税をとられるので。僕らはあんまりそういうの考えずにやってきたら、蓋を開けると結構とられる・・・みたいな(笑)。普通に4割弱とられるから。国が2割強、都が15%くらいとるんだけど、それの支払いはもちろんそうだし、書類とかつくるのも僕は素人でなんにも知らない。確かに今までお金に関係ある仕事はしてきたけど、経理作業なんかはしたことがなかったから、まずそれをやらなくちゃいけなくて。
それが終わったら、今進みつつあるいくつかのTokyo Art Beatと関連したプログラムをやります。
interview|A04: 藤高晃右(Tokyo Art Beat)_f0015110_91019100.jpg

岡田:そのプログラムってどういうものなんですか?

藤高:今進めてるプログラムっていうのが3つあって、1つ目が7月からテレビ埼玉で新しいFreeStyleっていう番組のなかのひとつのコーナーです。この番組は若い女性をターゲットにした情報番組なんですけど、その番組のなかで毎週木曜日に展覧会を紹介するコーナーをつくろうとしていて、そのコーナーをTokyo Art Beatが協力してやることになりました。テレビ埼玉と共同で番組を作っている三菱商事さんから話をもらって、いろいろ話し合った末、まあやりましょうっていう話になって。そもそもテレビでアートが週1回とりあげられるっていうこと自体なかなかないので、それに協力できるっていうんだったらアートの裾野を広げるためにもやりましょうということになりました。彼らのやろうとしていることと僕たちがTokyo Art Beatそのものでやろうとしてるアートを多くの人が見に行くときに手間にならないように便利な情報を出すということは、わりと方向性は一緒だから、金銭的にはいろいろ大変なことがあるけれども、できるだけのことはやりましょうと。
もう一個は今年の秋に開催競れるDesign Tide in Tokyoっていう、去年から始まったイベントの2年目のサイトの構築をTokyo Art Beatでやる。グラフィックデザインを除く、サイトの後ろ側の情報を配置するとか、どういうふうにウェブサイトをつくるかっていうのをTokyo Art Beatでやることになりました。Tokyo Art Beatをやるなかで培ってきた技術的なこととかデザイン的なこととかを他にも適用できないかっていうので、Design Tideの人ともいろいろ話をした上で、一緒にやりましょうと。Tokyo Art Beatはアートとデザイン両方が目的なので、Design Tideがやろうとしてることっていうのもたぶん共有できることだろうし、そういう情報だけじゃなくて技術を適用できればそれはそれでおもしろいし。
もう一個は関西でも新しいアートビートのサイトをたぶん、この秋にスタートします。僕たちは今NPO法人GADAGOっていう法人でTokyo Art Beatを運営してるんですけど、別の大阪にいる非営利団体が主になってKansai Art Beatっていうのをつくろうとしています。今までTokyo Art Beatで養ってきたノウハウとか首都圏で築いたコミュニケーションとかコネクションで使えるものがあればできるだけ提供するというかたちで始めました。この3つがわりと大きく秋に向けてやろうかっていうことです。



会った方が早いなっていうときは会って話をすることもできる


岡田:それはフルタイムになって動けるようになったからこそできることですか?

藤高:そうですね。今までのウェブサイト運営だけだったら、全てオンラインなので会わなくともやることができた。メールでのやりとりで情報を得たりっていうのはできたし、どうしても会う必要があるときは夜に会うっていうことでできた。でもやっぱりもうちょっと大きめのプロジェクトをやるっていうと、やっぱり昼間に人にあったりする必要がでてくる。そういうときにフルタイムで働いている人がいるとメールの行き来が早くなったり、電話で連絡たり、会った方が早いなっていうときは会って話をすることもできるし、プロジェクトの進むスピードが全然はやくなりました。今までのやり方だと同じことをやるにも3倍以上時間がかかったかもしれない。後は単純に広告主を捜すための営業活動ができるようになってきました。



すごく公共的な存在にしたいし、存在だと思うから


岡田:さっきNPOの話が出てましたけど、NPOになったのはいつなんですか?

藤高:NPOになったのは2005年の8月です。

岡田:それはどういうきっかけでNPOにしようと思ったんですか?

藤高:サイトを始めた時点では任意団体で始めたんですけど、同時にサービス自体を永続的に続けていくために、なんらかの法人は必要だろうっていうのは話し合って考えていたんです。営利団体にしたらお金を集めやすくなるとか、もしくはNPO法人はどうかなとか、法人格なしでやったほうがいいんじゃないかなとか。主にそれは僕とポールとオリビエと、あともうひとり弁護士の方で一緒に考えました。その方はポールヘイスティングス法律事務所の野本さんという方なんですけど、TABに共感をしてくださって、ポール・ヘイスティングス法律事務所として、公益活動の一環という位置づけで、労役を無償で提供して下さったんです。要は僕たちはお金はないし払えないけれども、彼らとしてはお金を寄付するんじゃなくて、労役を寄付しましょうっていうかたちで相談に乗ってくれることになって。それで弁護士の人も含めていろんな可能性を考えて、NPO法人がいいんじゃないかという話になったんです。

岡田:どうしてNPOだったんですか?

藤高:その理由のひとつはTokyo Art Beatは。すごく公共的な存在にしたいし、存在だと思うから。どの美術館の情報は載せてこのちっちゃいギャラリーのは載せないとかっていうのじゃなくて、大小問わずにいろんな展覧会をすべて載せるっていう、そういう考えでやってるし、そもそも営利が目的でやってるわけではない。非営利団体にしておけば、たとえば美術館の人、ユーザーの人、広告を載せてくれる人、いろんな人にとってクリアなんです。この団体は営利が目的でやってる団体ではなくて、やろうとしてるサービスを続けることが目的で、そのサービスを世の中に提供していくことが目的ですっていうのがクリアに伝わる。それでNPO法人にしました。
いろんな手続きは僕たちとその弁護士の人で話をしながら、書類手続きのようなことはおもにその弁護士の方がやってくださったのでわりとスムーズにいきました。このとき協力くださった野本さんには現在もNPO法人GADAGOの監事として、ご協力いただいています。



できるだけ少ない人でできるだけ多くの情報を扱うために


岡田:あとは中身に関してなんですけど、Tokyo Art Beatはすごく広い範囲で展覧会をカバーしてると思うんですけど、それでもカバーできないようなものもありますよね。私がひとつ思ったのが、場所がない展覧会、例えばウェブ上の展覧会とかはどうなるのかなあって思ったり。

藤高:それはわりと難しいところですね。場所がない、オンライン上っていうのはとりあえずはスコープには入ってないかな。入れられないわけではないだろうけど、少なくともTokyo Art Beatのデータベースの枠っていうのが、その場所のデータがあって、そこに基づく展覧会の情報をアップデートしていきましょうというかたちなので。
できるだけ少ない人でできるだけ多くの情報を扱うためにはある程度効率化をはからなくちゃいけない。それで場所のデータをアップデートしていくっていう構造をつくって、そこをちゃんとアップデートしていけばいいっていうようなそういう構造になっているんです。

岡田:でも美術関係の人って新しいことをやりたがるから、場所が特定できない展覧会って全然ありえますよね。

藤高:たぶんそれは本当にその作家の人がTokyo Art Beatで告知したいと思えばそれは告知することは可能。でもそのことをいろんな媒体で告知したいかどうかっていうこともあるよね(笑)。

岡田:でもそういったおもしろい情報が日本語でしか扱ってなかったら、外国の方とかは知ることすらできないわけじゃないですか。だったらどこかで紹介しててもいいですよね。

藤高: Tokyo Art Beatは人が見て、展覧会に行くためのデータベースだから、ゲリラ的に起こったことに対して事後的にこういうことがありましたっていうのを載っけるサイトでは現在はない。だからそういうところはわりと目的が違うかもしれない。起こったことを自動的にアーカイブしていって後から見れるようにするっていうのはTokyo Art Beatのひとつの特徴だけれども、全てをアーカイブしていっているわけではないから。それはたぶんまた別のところで誰かが(笑)。もしくはTokyo Art Beatでもうひとつブログをぽこっとつけて、そういうのにももうちょっと俊敏に対応できるようにっていうのは、もうちょっと人が増えてきたり、組織としてもうちょっと固まってきたときにはひとつの広げるときの戦略としてはあるかも。



アートに対する批評の空間をどのようにつくっていくか


岡田:Tokyo Art BeatにはTABlogというブログがついてますが、そっちでは批評の場をつくりたいという目標があるんですよね。

藤高:そうですね。Tokyo Art Beatの大きな柱っていうのが2つあって、ひとつ目の柱では展覧会とそれを見に行くための情報を提供している。もうひとつの柱がアートに対する批評の空間をどのようにつくっていくかということ。
展覧会の情報にかぶせるものとして、その展覧会に対する批評をTABlogっていうかたちで特定の人がプロフィールとかを出して、その人の責任でもって批評を書く。批評って僕の個人的な考え方でいうと、その人の責任でもって名前をちゃんと出して書いてこそ批評だと思ってるんです。今まで批評って、雑誌とか本とかで書いてみんなが読んで、それに対してどう思ったというのは手紙でその人に書いて送ることはできても、それって一方通行のメディアでフィードバックできない。フィードバックしたとしてもすごく小さな一枚の紙で、フィードバックされたことはみんな全くわからない。それってあんまりコミュニケーションにはなってないなと思ってて、そういうのをインターネットでできればいいと思った。インターネット上では全てがリアルタイムで動いていくから、ある人が批評をしたら誰でもそれに対する意見をすることができるっていう場をつくっていくことで、そういう批評の空間をつくりたいなあと。
特にアートっていうのは、ある人がある信念でもって作品をつくったときに、それを支える文章であったり、客観的な支える文章が必要で、そうじゃないとその外側には広がらない。本人がいて、それを語ってあげる人が必要。すべてを合理的に語ってあげる必要はもちろんないけれども、語ってあげる人がいたらそれをやっと見て聞いてくれる人が集まってくる。それでやっとアートっていう弱いしくみがもうちょっと立ち上がってくる(笑)。それはいろんなかたちで、雑誌とかでも行われているけど、たぶんウェブでやる方がこれからはおもしろいかなと。今後いろんなかたちでみんなの意見が行き交う場にしていきたい。
Tokyo Art Beatって一日に1、2万人の人が見てるんですけど、フィードバックをする人っていうのはすごく少ない。できるだけみんなにフィードバックを促すような仕組みをつくるんだけど、なかなかフィードバックが増えないと。たぶん展覧会に行って思うことはあるけど、それを書き留めて後で誰かに伝えるって労力を出すことにはそれほど興味をもってないのか、書く人は少ない。そこはこれから僕たちが頭を悩ませて、どうやってその雰囲気をつくるかことだと思うんです。例えば今はできないけどその場で携帯で書いて送れるようにするのがいいのか、あるいはもっと別のアプローチがいいのか。
interview|A04: 藤高晃右(Tokyo Art Beat)_f0015110_9122777.jpg

岡田:たぶんみんな「美術批評」とかっていうとあらたまっちゃうんですよね。なにか正解があると思ってる。だから自分の好きなように書けない。私は、間違った見方とかってないと思うんですけど、それをみんなが理解しないと難しいですよね。

藤高:でもたぶんブログを書くっていうすごく一般的になってきたことっていうのはそういう気持ちを少しずつ消していくようなきがするんですよね。だからそういう意味でも僕はインターネットに希望を見出してて。

岡田:ああ、そうですね。ブログとかってみんなすごく書いてますよね。

藤高:そうそう、みんなすごく思ってることいっぱいあるじゃん、みたいな。それがアートに関係あるかは別として。

岡田:すごくおもしろいですね。



Tokyo Art Beatが主催してレクチャーをやっていくとか、展覧会を企画するとか


岡田:ほかになにかやっていきたいことはありますか?

藤高:なんの具体的な計画もないけれども、やっぱりもうちょっとオンラインからオフラインでも活動できるように、長い将来的にはしていきたいなあっていうか。オンラインはオフラインに比べれば安く簡単にできるけど、やっぱりオフラインでやることも大事だと思ってて。具体的にどういうことかわからないですけど、今せっかく媒体があるんだから、その媒体を通じて例えばTokyo Art Beatが主催してレクチャーをやっていくとか、展覧会を企画するとか、もしくはそういうことをやっている人たちと一緒になって合弁的にやっていくとか。何かおもしろいことをやっていきたいなと。ただしそういうとこまでの労力はなかなか(笑)。でも最近いろんなかたちでサイト外の人たちと関わるようになってくると、世の中そういう機会っていっぱいあるのかもしれないなあと思ってるんですけど。
「こういうのをやったらおもしろいんじゃないですか」っていうのは、じゃあやれるのからやっていきます、っていう感じなんですけど、それってたぶん限界があって、Tokyo Art Beatのこういうのを使えば一緒にこういうことができるんですけどっていう話があるといいですね。Tokyo Art Beatって情報サイトから発展して今はすごく多くの人が見るから、多くの人に情報が到達するっていう力はだんだん育ってるので、それを使ってなにかをやりたいっていう人と、それがおもしろいとTokyo Art Beatが思えばぜひ一緒にやりたい、という感じかな。



なにか一緒にできることがあればやりたい


岡田:このco-labにはいろんな人たちが入ってるので、そういう出会いもたくさんありそうですよね。

藤高:そうですね。単純に雰囲気いいし。雰囲気いいっていうのは似たような価値観で似たような世代でやってる人が多いっていうこともあるけど、それだけではなくてなにか一緒にできることがあればやりたいと思う。今の単純なレイヤーとしては、「co-labの誰かが展覧会をやるときはTokyo Art Beatに載せますよ」っていうそういったコミュニケーションだけど、これから「じゃあなにか他のことやるときに一緒にやりましょう」っていうようなもうちょっとつっこんだコミュニケーションになっていくことがあればいいなと。
あとはなんとなく広い共有スペースもあるし、こういうところを使ってちょっとレクチャーなどの定期的な活動がしていければな、という感じですね。
あとは音声。今はテキストと画像のデータだけですけど、ポッドキャストとかビデオなどの音声も使っていきたい。例えば誰かがレクチャーしたときにそのレクチャーの様子を送っていただいたら、Tokyo Art Beatで薙がせますというかたちにしたりとか、そういうことをやれればいい。レクチャーとかっていっても、みんな何かと重なって行けないとかっていうこともある。それって絶対誰か録音してるはずなんですけど、それって絶対そのあと誰にも聞かれないから、聞けるような場所があればいいかなあと。

岡田:編集とかすごく大変そう(笑)。

藤高:編集はその人がやって下さいっていう(笑)。

藤高:あとはTokyo Art Beatはいろんな人からのフィードバックをお待ちしております。寄付もお待ちしております(笑)。


<Tokyo Art Beat関連サイト>
■テレビ埼玉
PCサイト: http://www.teletama.jp/freesta/index.htm
携帯サイト: http://freesta.jp
by dog06 | 2006-06-29 23:34
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