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【小説配信サイト】新潮ケータイ文庫
ラジオのような、新聞のような。ipodのようでもある。
でもやっぱり文庫です。

井上慶太

明日が本コラムの更新日で、毎度ながらぎりぎりになって原稿を書いている。しかも、前回は仕事の忙しさをいいわけにさぼらせてもらったので今回は甘えた根性に出番は無い。雨の中、家を出て、タリーズにいる。いつものことだが、第一行目から悪戦苦闘しながら。目の前には、僕の彼女がおいしそうなお菓子を食べていて、言葉には出さなくても、早く終わらないかなぁと思っているのだ(ろう)ということがわかる。

さて、はじめましょう。

趣味は心に余裕をもたらすものだけど、同時に、心に余裕がないと趣味なんて身にならない。

あくせくした日常の中においても、難しい事なんて何もないよってな顔で平然と本を読む人はすごい。いったいどこにそんな時間があるのだろう。そういう人に限って、なんだか難しそうな本を読んでいる。本が好きとはいえども、僕は彼らの足元にも及ばないだろう。

音楽と同じ様なもので、疲れている時と落ち着いている時では読みたいものが違う。そういう人たちは、気分の違いをもろともせずに分厚い本を読んでいるのだろうか。他人の読書習慣なんてわからない。ごめんなさい、僕は読書をもっとポップに考えています。

例えばipodが音楽をライブラリー化したように、僕にとって、携帯は本をライブラリー化してくれる重要なツールである。電子書籍は、気分に応じて、読みたい本が選べるとても便利な仕組みだと思う。
【小説配信サイト】新潮ケータイ文庫_f0015110_20475895.gif
さて、明日の朝が楽しみなのである。新潮社のサービス「新潮ケータイ文庫」にて、人気シリーズ「天国の本屋」の最新作が配信開始される。シリーズ作が2004年に映画化されているので、ご存知の方も多いと思う。第一作目の『天国の本屋』は、もともと一人の書店員が、そのストーリーの良さを伝えたいと地道に売り続け、それが口コミで広がった、いわゆる書店員が勧める一冊。すっかりメジャーになったあとになってようやく読んだ僕は、当時学校の帰り道だった一時間の間に楽しく読み終えた。絵本を読み終えたときのような軽やかで優しい気持ちになった。

とある不思議な本屋さんが舞台。そこには書店員による朗読のサービスがある。主人公のさとし、ユイ、そして変わり者のおっさんの三人による、天国とこの世をまたいだパステル調の物語です。

明日から、その第四作目が配信開始です。月曜と木曜に配信です。設定すれば八時ごろに、携帯へその日の更新分がメールされます。少しずつ読み進めていくんです。なんだか新聞小説みたいでしょ。ちなみに僕は、ある程度ためてから読みます。鞄の中には別に一冊いれておいて、飽きたら携帯を開いて一気に未読分を読み進めます。
シリーズ各作のストーリーはそれぞれある程度読みきりになっているので、久しぶりの人も初めての人も、気軽に興味を持ってください。

そういえば、話の中に登場する「朗読」。これも電子書籍と相性がいいですね。アメリカではオーディオブックという耳で聞く電子書籍が人気だそうです。

さぁ、目の前の彼女さん、遊ぶものがなくなったようで、携帯で漫画を読み始めました。

明日から配信開始のシリーズ第四作目「あの夏を泳ぐ 天国の本屋」、楽しみにしています。
by dog06 | 2007-10-01 20:50
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